転職を5回も経験した体験談
転職するって難しいですよね。
次の職場が成功か失敗か転職してみないと分からないリスクがある。
そんな転職を私は5回経験して、今の職場に辿り着いて16年勤続しています。
今に至るまでにどんなことがあったのか、今の職場で続いているのは、なぜなのか。
そんな体験を書いて、今まさに転職しようかなって考えている人のヒントになればと思います。
1度目の退職
私は国公立大学の工学部機械科を学位で卒業して、1社目の会社に入社しました。
1997年当時、世間では過去最悪の就職氷河期と呼ばれた時代でした。
実家から通える上場している企業で、給料も良く、休みの多い会社を希望していましたが、この就職難で選べるような状態ではありませんでした。
大学に来ている求人の中から教授推薦で受けた会社は、2社落とされ、3社目に田舎の中小企業に就職できました。希望の会社ではなかったが、入れば都で、入社した会社は人間関係も良く、給料も大企業には劣るが悪くはない。仕事内容に不満もなくいい会社でした。しかし5年勤務し退職することになりました。
理由は、私が実家の跡取りで、母親が大病をし父親から地元に帰ってきてくれないかと言う事情からでした。勤務しながら地元の企業の転職をするのは困難で、独身であったことから次の転職先は決まっていないまま退職しました。
1度目の転職
地元に帰ってきた私は、ハローワークで失業手当を貰いながら、いい会社は無いかなーって気楽に就職活動をしていました。
ところがそんな悠長にしているところでは無かったのです。就職氷河期は少し回復したものの、会社側の考えは、優秀な人材を必要な人数だけ雇用するという状態であった。何枚も履歴書を作成し片っ端から目星の会社に送って、やっと面接に漕ぎつけても落とされるという始末であった。
その中にもすぐ受かった会社があった。私の世間知らずということもあって一旦入社したが後日、派遣の会社ということが分かり4日で退職した。まだ、今ほど派遣型の働き方というものが根付いていない時代であったし、派遣型は希望職では無かった。もちろん次の転職先も決まらずの退職であった。
2度目の転職
再度、履歴書を片っ端から目星の会社に送る生活が始まった。
3社目は以外に早く決まった。しかも大企業2社の50%ずつの出資会社で基本給も今まで見てきた中でも特に高給であった。すぐに飛びついて入社した。仕事内容は、セラミック材料系の会社で半導体に使用される封止材を製造・開発する職種であった。
中途入社の私は、1か月目に樹脂の粘度とセラミック粒度の特性を組合わせて流れ性との相関関係をデータベースし発表する課題を課せられた。それは、何とか課題をクリアすることができた。
2か月目は、セラミック封止材の開発をし、社長の前で発表する課題を課せられた。セラミック粉体の製作コスト、製作歩留まり、生産量や納期まで指定された内容であった。
右も左も分からず、どこから手を付ければいいかも分からず、先輩の中でも一番下っ端の女性社員の方にどういうふうに進めていけばいいかを相談した。
するとその女性社員がこう言った「それを考えるのがあなたの仕事ですよね!」
私は、それを聞いてこの会社ではやっていけないと感じた。相談する先輩もいない。これから一人で課せられた業務を悩みながらやっていかなければいけない。
そう思うと毎朝、起きて会社に行くのが憂鬱になっていった。そして、この会社で今後定年まで働いているイメージが湧かなくなって退職することを決意した。
3度目、4度目の転職
3社目は大手企業の下請けで自動車部品の製造ラインでの生産技術業務。すぐには生産技術にはいけなくて、まずは現場作業を1年間経験してからというものであった。
生存ラインの職場環境は酷いもので、夏場はエアコンがなく水分と塩を舐めて乗り切った。2交代勤務も1週間交代なので、夜勤、昼勤の生活リズムを合わせるのも大変であった。おかげで体重が10kgほど減りました。
1年が過ぎ、やっと生産技術へ異動になったが、毎月の社長の朝礼で部品の生産目標が何万個という指示があるのだが、会社の利益や状態を開示されることがなく、この会社は将来大丈夫なのかと思い始めた。
その時、ちょうど高校時代の友人と再会し、今務めている会社で中途採用を募集していると聞き、友人の口利きでその会社に転職することにした。
4社目は、プラント施設などの電気設備を設計製作する会社であった。私は機械系卒なので電気の知識はほとんどなかったが、製作された電気設備の出荷検査をする業務をしながら電気知識を身に着けていった。
半年が過ぎ、設計に異動することになり、そこの設計課長に異動するにあたり話しておかなければならないことがあると言われ、仕事終わりに私と妻でその食事会に参加した。私は、3社目の会社勤続中に結婚をしていた。
課長の話というのは、この職種の仕事はプラント建設している場所が勤務地となり、その設備が稼働すれば、また次のプラント建設地で勤務する業種である。
つまり、ほとんど出張で家に帰れるのは数日の生活が一生続くという訳だ。妻にその事の理解がないとやっていけないので、今回その話があったという経緯であった。
私も妻もそんな生活は望んでいなかった為、その話を聞いて退職する気でいた。
また、その席で飲酒をしていた課長からこの後、繁華街に飲みに行こうと課長の車に乗れと言われた。飲酒されている運転手の同乗はできませんと何度も言ったが、強制的に私と妻は車に乗せられ繁華街のスナックに連れていかれた。
こんなモラルのない会社は務められないと、益々、退職することの決意を後押しした。私も妻も納得の退職であった。
5度目の転職
上記で色々と経験してきた私は、今度こそ定年まで勤めれる会社をという気持ちで次の会社を探すことにした。そして今も勤続中の会社に出会った訳である。役員面接で、「えらい転職が多いな」とやめぐせがあるような発言をされた。一方で社長から「色々な経験をされてとてもいいですね」と前向きな発言も受けた。
結局、社長の一言で採用されたと思われる。仕事内容は、やっていて面白いと感じられるし、人間関係がすごい良好であった。給料面では、中小企業なのでそんな良いわけではなかったが、定年まで勤められるビジョンが私の中で芽生えた為、今に至ります。
結論
転職を5回経験した私が皆さんに伝えられることは以下です。
まず退職する際は必ず円満退職をしてください。退職する理由がいかなる理由であっても。世間は狭いので遺恨を残すようなことをして得はありません。
- 仕事に何を求めているか自己確認をしてください。仕事内容、給料面、休暇日数、残業時間、人間関係、福利厚生、会社の安定性など。
- ほんとうに今転職しようとしている理由は、転職する以外で解決ができないでしょうか。特に新卒で入社した会社は、その会社しか経験していないので不満がでてくると他の会社に転職すれば解決するんじゃないかと考えます。思ったより世間は厳しいです。今の会社に留まった方がいいということはないですか。
- 私が転職する際のツールは、ハローワークや新聞折り込みチラシなどでしたが、今は転職サイトが多くあり、さらにサイトに登録すると、エージェントが企業とのマッチングをしてくれるので利用することをお勧めします。
- 転職回数が多いと再就職する際に不利な要素になります。私はたまたま幸運でしたが、大体の面接官はいい印象を持ちません。入社してもまたすぐやめるんじゃないかと敬遠されがちです。
- 転職する歳は30代前半までです。キャリアアップでよっぽどな実力がないと35歳を越えてくると転職は厳しいです。
最後に
私は転職を何度も経験して、給料面は優先を下げました。給料と仕事のしんどさは、比例関係にあると考えています。当然、きついしんどい仕事ほど給料はたくさん貰えます。
ですが私は、給料面はほどほどで、毎日元気に行ける職場環境であることを重視し、仕事もプライベートも充実した生活ができる会社を選びました。
それは私の人生で選んだことであり、そうでない人は、自分が重視している事で会社を選べばいいと思います。但し重要視している事を多く満たしている会社はほとんどないと思いますので、良く考えてどう生きていくかを見つめなおし、皆さんが生き生きと働ける職場に出会えることを願っております。
また、
私の時代に今のような転職サイトがあれば、5回も転職することが無かったのかもと
思う日々でもあります。